昭和のオシロスコープ その2【高電圧電源部】

<2021年02月05日>
【謎の部品 TDK HVU-4A2001】

高耐圧整流ダイオード テスターΩ計に反応なし


電源部 アノード キャップ

 昭和のオシロスコープを先が見えないままに解体を始めたはいいけれど、数千ボルトの高圧電源は危険です。


 ネットの修理記事を見ても、自己責任でとの注意喚起。

 難関は奥のほうにあるCRTアノードキャップを安全に外すことですが、電源を切ってから長時間放置し、念のためアノードキャップを少しめくりアース線を付けた絶縁ドライバーでパチッとしました。

電源部解体

 先ずは直付けしてある配線(5本)を半田ゴテで外し、次にCRTソケットを慎重に抜きます。

 更に基盤への各コネクタを抜いて、止めネジを緩めると電源部基盤がお目見えします。



電源基盤 高電圧部

 回路図がないので、部品面の写真をフリーのレタッチソフトに読み込み、現物を見ながら部品名を書き込みます。


プリントパターン 高電圧部

 同じくパターン面に部品名を書き込みますが、こちらは反転するので部品面とのにらめっこです。

 とりあえず高圧電源部だけですが、回路構成が分かっていないので回路図化も大変です。


高耐圧部品

 この2つの部品はテスターΩ計であたって、導通もショートも反応がないので外してみました。

 左はマイナス高電圧の整流用ダイオードですが、かなりくたびれており抜き取る際に足が折れてしまいしたが、代替品は通販で手に入ります。

 右はCRTアノードにつながっている部品ですが、ネット検索しても全くヒットしません。



SS-5157D H.V. REG,CRT CIRCUIT

 いつもお世話になっているローカルOMさんに相談すると、IWATSU SS-5157Dのサービスマニュアルを貸していただきました。

 CRTアノードへ高電圧を供給するのは赤点線で囲っている回路ですが、謎の部品の中身がこれだとすると、代替部品で数千ボルトの回路を安全に構成できるでしょうか。(汗)

 左の図をクリックすると、別タブで「高電圧電源回路 & CRT回路図」が表示されます。


高耐圧整流ダイオード
主な仕様

 この回路図の高耐圧整流ダイオード「VF5-7X」のデタシートと部品通販の高圧シリコンダイオード説明書きを見て、順電圧が高いのでテスターΩ計には反応しないのですね。(納得)



 電源基盤の組戻しを何回もできないので、故障要因となりそうな部品はできるだけ交換するのが対処療法ですが、高電圧部だけでなく電源基盤全体の回路図化を進めなければなりません。

 いずれにしても症状の原因が特定できない中で、年老いた田舎のラジオ少年には困難な道です。(とほほ・・・)

 

 
 

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