昭和のオシロスコープ その4【オシロをオシロで見る】

<2021年02月17日>
【CRT表示信号とSWEEPの関係】

異常波形は前段の熱暴走?


オシロ観測

 電源部は問題なく働いているので、今度はオシロの内部波形を見たいと思い、またまたローカルOMさんよりオシロを借りてきました。

 CH1/CH2に「CAL 0.1V 1KHz 方形波」を入力して、垂直出力・水平出力信号を観測してみます。



垂直出力

 垂直出力最終段2SC1566の出力は「Y+ Y- 13Vp-p」で、入力信号と同じ形ですが、白緑線側が少し歪んでいます。


水平出力

 水平出力最終段2SC1566の出力は「X+ X- 80Vp-p」で、のこぎり波になっています。



観測信号とSWEEP

 観測信号とSWEEP信号の関係を見てみます。

 文字で説明されても難しいですが、波形で見えるということは素晴らしいことです。

 0.5msでSWEEPすると、1.5ms休んだあと、7.5msのノコギリ波が発生しています。

 7.5ms間に表示される信号は0.5ms×15div分ですが、実際にCRTで見えるのは目盛表示の10div分です。

 水平ポジションつまみを左右に動かすと残りの5div分も見えます。




 そうこうしている間に異常波形が出たので、取り急ぎ記録を撮りました。(汗)


垂直出力異常波形

 その後、基盤上の電圧や導通をチェックしたり、測定プローブをあちこち当ててみましたが、異常波形は再現できません。
 


垂直出力前段AMP

 垂直出力部前段2SC1326の入出力波形ですが、12dBAMPのようです。(Bin白青側・Cout白緑側に接続しているので、同相になっています。)

 ベース入力波形は異常波形の時も変わらなかったので、CH入力からVモードスイッチング回路までは正常に働いていると思われます。


左側面基盤

 最終出力段の部品交換も考えてみましたが、基盤を取り外すためには、直接ハンダ付け・VR群・多数の接続コネクタ配線などの取り外し自体、基盤にストレスが掛かりそうです。
 
 これ以上いじくりまわしたあげく壊してしまったのでは元も子もないので、ケースに納めることにします。
 
 

熱暴走

 電源を入れたまま長時間放置していても落ち着いているので、そろそろ電源を切ろうとしたとき、異常波形が再来。

 やっぱり世の中甘くない。

 仕方がないのでケースを開けてみると最終段の放熱器だけでなく、垂直出力前段の2SC1326が、かなり熱くなっています。

 測定用オシロで見てみると、特に白緑側のコレクタ出力が異常波形です。

 前段回路にはバイアスをサーミスタで安定化してあるようですが、その制御範囲を超えて熱暴走しているのかもしれません。

 正常時でも白緑側の出力波形が少し歪んでいるので、動作レベルの変更となるとお手上げ状態です。

 試験をしているときは自然空冷で収まっていたのが、ケースに入れると熱暴走するということになりますが、1日中連続で使うことはないので、たびたび電源を切れば・・・と、ごまかす年老いた田舎のラジオ少年です。(悩ましい)

 

 
 

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