昭和の周波数カウンター その7【基準周波数校正】

<2019年03月11日>
高精度周波数カウンター

【10,001,000Hz受信】


高精度周波数カウンター

 いつも背中を押してくださるローカルOMさんから高精度周波数カウンターを借りてきました。

 親亀の上に孫亀を載せてですかね。
 小型で性能も抜群で、0.1Hzオーダーで校正済みです。
 技術の進歩を感じます。

 

オーブン

 両機とも十分なエージングがしてあるので、測定を始めます。

 昭和の周波数カウンターのOVENの多回転トリマを回しながら、10,000,000Hzに近づけます。

 

基準周波数多回転トリマ

 さらに、0.1Hzオーダーに近づけるよう、リアパネルの多回転トリマを回します。
 

 
基準周波数測定

 基準となる高精度周波数カウンターのGATEを10秒にして測定します。
 きれいに0が並んでいますが、こんな状態は続きません。(笑)



IC-7610 10,001,000Hz受信

 1Hz以下に落ち着いてきたので、IC-7610で昭和の周波数カウンターの基準周波数出力を10MHz+1KHzで受信。

 ビート信号1KHzのオーディオ出力を
「高速リアルタイム スペクトラムアナライザーWaveSpectra」で表示します。


数値表示精度補間

 IC-7610の受信ダイヤルを1Hzずらせば、ピーク信号の周波数も1Hz変化するはずですが、なぜか変わりません。?
 さらにダイヤルをずらしていくと、およそ10Hz動いたところで、WaveSpectraの表示が変わりました。

 しばらく悩みましたが、WaveSpectra設定に「数値表示 補間して精度を向上」というのがありました。
 インストールした状態では「なし」のままなので、リアルに変化しないことが分かりました。

 これを「×128」に設定すると、受信ダイヤルと同じ変化で表示するようになりました。



IC-7610 基準周波数調整

 IC-7610も十分エージングしてから受信ダイヤルを10,001,000Hzに固定。
 そして、IC-7610の【MENU→SET→機能設定→基準周波数設定】を開きます。



WaveSpectra受信

 MULTIダイヤルを回すと、WaveSpectraのピーク周波数表示も変化していきます。

 ぴったり「1000.0Hz」という訳にはいきませんが、「OVENの基準周波数」による「IC-7610の基準周波数調整」ができることになります。



 一旦電源をOFFにしOVENを冷まし、日を改めてOVENの基準周波数を測定します。

OVEN立ち上り周波数
 OVEN立ち上がりからの周波数変動です。
    0分 10,000,139.68Hz
    5分 10,000,090.97Hz
    10分 10,000,008.24Hz
    15分  9,999,998.26Hz
20分後
 20分で「1Hz以内」に落ち着きました。
    20分  9,999,999.73Hz
    25分 10,000,000.02Hz
    30分 10,000,000.07Hz
    60分 10,000,000.00Hz
2時間後
 赤枠の「A入力を示すマーク」を桁印と勘違いし「998.3Hz」と読み間違え「1.7Hz」も変動したのかと、思い切り焦りました。(汗!!)
   120分  9,999,999.83Hz
   180分  9,999,999.99Hz
   240分 10,000,000.12Hz

 昭和の周波数カウンターのOVEN出力は、IC-7610の外部基準信号として使えそうです。(あー、うれしや!!)

【追記】
 この時点では、室内温度の影響によるドリフトに気づいておりませんでした。
 "昭和の周波数カウンター その10【OVEN最終調整】"で、どんでん返しになります。


 

 
 

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