昭和の周波数カウンター その10【OVEN最終調整】

<2019年03月29日>
OVENドリフト試験

【室温8.5℃~25.5℃】


10MHz外部基準入力
 ルビジウム原子発振器の10MHz出力を高精度周波数カウウンターの外部基準に入力しました。

 これで昭和の周波数カウンターのOVENの実力が判明します。

 

OVEN本体最終調整

 カウンター表示を見ながらOVEN本体の多回転トリマを回して「0.01Hzオーダー」まで合わせます。
 
 これまでと違って、トリマの回転が素直にカウウンター表示に反映します。

   左回し ⇒ 周波数up
   右回し ⇒ 周波数down

 なお、OVEN自体の電源は入りっ放しで十分エージングしています。
 

リアパネルトリマ詳細調整

 次は、リアパネルの多回転トリマを回して「0.001Hzオーダー」を微調整します。

 こちらの微調整もスムーズです。

   左回し ⇒ 周波数down
   右回し ⇒ 周波数up

(本体と逆だから間違えないこと!)


 
室温12.7℃

 簡単に、僅か+0.02Hzの偏差になりますが、ゆっくり「0.001Hz」オーダーまで合わせます。

 室温は12.7℃。
 


OVEN出力周波数


ファンヒーター

 さて問題は、室内温度変化の影響です。

 ファンヒーターを点けて室内温度を強制的に上昇させ、OVENのドリフトを監視していきます。



室温24.9℃

 まだ寒い時期とはいえ、さすがに暑いです。

 夜中にはファンヒーターを止めて室内温度を戻し、早朝から監視を続けます。

 室温12.7℃で最終調整してから、最高25.5℃~最低8.5℃まで変化する状態で一昼夜監視を続けました。(うそ、夜中は寝ていますが・・・)



OVENドリフト観察-1

OVENドリフト観察-2

【高精度周波数カウンターを「GATE10秒・表示0.001Hz」にして計測した結果】
      10,000,000.002Hz
      10,000,000.001Hz
      10,000,000.000Hz
       9,999,999.999Hz
       9,999,999.998Hz
 この範囲でゆっくりゆっくり表示しています。

 年間の季節変動も見ないと一概には言えませんが、1桁上げても「±0.01Hz ⇒ ±0.001ppm以内」は予想を大きく裏切り驚異的な数字となりました。


 追加試験です。
【昭和の周波数カウンターを電源OFFで十分冷ました後、「OVENのみスイッチON~安定するまでのドリフト特性を計測】

 OVENドリフト全体( 0分→40分)


 OVENドリフト詳細(13分→40分)



 とても素晴らしい計測システムのおかげで、ジャンクになりかけていた「昭和の周波数カウンター」が甦りました。

 さー、これで次のステップに進めます。(ここまで長かった-!!)
 IC-7610本体の調整とドリフト計測の手順を整理しておかなければ・・・。

 

 
 

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