phoneへの回り込み 【JST-135】

<2017年11月30日>
ヘッドホンから送信音が聞こえる

【初期からの症状】


 
 送信音がヘッドホンに回り込むという初期症状がありましたが、その当時メーカーも確認しており解決済みとのことでした。
 普段のQSOはヘッドホンをほとんど使わないので気にしていなかったのですが、DXの真似事をやるようになってからヘッドホンを使うようになり気になっていました。

IF AMP UNIT
 
 最近のRIGのようにきれいなモニター音が聞こえるのならいいのですが、回り込みのぐちゃぐちゃの音ではBFです。
 検波からヘッドホンまでのオーディオラインを追いかけてみます。

 JST-135の特徴であるプラグイン構造ですので、ユニット回路図とマザーボードのコネクタ間結線図を照らし合わせます。
 
 

パネル
 
 症状的にはAF GAIN VRにより聞こえ方が変化するので、IF検波からボリュームまでのラインに回り込んでいるものと思います。

 ボリューム周りの配線は写真のとおりディスプレイユニット・ダイヤル・ボリューム・スイッチなどで複雑に構成されており、この中に細工するのは自分には難しそうです。

 苦労して分解したので、内部の清掃とつまみ類の洗浄をします。



マザーボード裏面
 IF AMPからのオーディオ出力はシールド配線ではなく、マザーボード両面のパターンで配線されています。
 このパターンラインに送信波が乗っている可能性が高いので、パターンをカットしてシールド配線に変更できないか検討してみましたが、両面マザーボードを壊しそうなのであきらめます。



マザーボード表面
 パターンをよくよく見ると、IF AMP出力の信号線側(緑で表示)は接続コネクタまで伸びていますが、GND側(赤で表示)は手前で途切れています。
 ところがマザーボードのコネクタ間結線図では、ちゃんと接続されています。(ウン?)

 そこで、パターンが接続されていないGND個所(下図 赤点線)をつなげば解消するかも知れないと、ジャンパー線を半田付けします。

 早速ヘッドホンをつけて送信。
 おー、AF VRを最大にしても回り込みは聞こえません。
 見事止まりました。・・・が、世の中そんなに甘くない。



AF GAIN VR側パスコン
 送信から受信に戻ると、今度は受信音にピーッという発振音とノイズが混じっているではありませんか。(がっくり!)

 アナログ・デジタル混在のグランド処理は難しいと聞いていましたが、無意味にパターンが切れている訳ではないようです。
 仮に、パターンをカットしてシールド配線に置き換えた場合、グランドループに気が付かず、かなり悩むことになっていたでしょう。(Hi)

 結局、IF AMP⇒AF VR間 パターン配線(両端)にパスコン(0.001μ)を挿入することにします。
 併せて、おまじない程度ですがコールド側からGNDにパスコン(0.1μ)で落とします。



 
AF AMP側パスコン

 そしてAF AMP入力側にもパスコン(0.01μ)を挿入しておきます。

 なお、FB-801のエナメル線4ターン巻きの挿入も試しましたが、配線の収まりが良くなかったので止めました。
 


 その結果、回り込み全くなしとまではいきませんが、AF GAIN VRの通常受信音量では送信回り込み音は気にならなくなり、実用上問題ないレベルまで下がりました。

 ここへ来るまで何回も分解・組み立てを繰り返しましたが、他のトラブルを起こさないうちに今回は終わります。
 約30年前のRIGですがスルーホールの接触不良・半田劣化などによるトラブルは一度もなく、JRCの作りの良さに感心しています。

 今回もローカルOMのアドバイスを頂き誠に有難うございました。(感謝!)

 

 
 

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