FT-736修理 その6【回路図も間違っている】

<2015年10月05日>
VCO回復

【実配線と回路図】


基盤裏面

 シャーシーから取り外した144MHz MAIN UNITの裏面です。
 赤線で囲ったところが、シールド板を外したVCO部です。

 早速、VCO発振のQ09(2SK192AGR)のソースにつながっているL10(0.68μH)の抵抗値を測って見ると300Ω以上あります。
 単体で測っても同様です。
 手持ちの部品箱を探してみると「1μHのインダクタ」があったので交換しました。

 ネット上のPLL修理ブログを見るとコンデンサの容量抜けというのが多いので、VCO周辺のコンデンサ容量も測ってみました。
 目立った容量抜けはありませんでしたが電源周りの電界コンデンサを予備交換しました。

 またPLLにはループフィルタの影響が大きいという解説もあったので、フィルタのコンデンサも測ってみましたが容量減はありませんでした。



MainVCO

 苦労してVCO樹脂を除去したので他の部品も丁寧にチェックしました。
 すると実配線と回路図が合っていない所が4箇所もありました。
 回路図を鵜呑みにすると、いつまでも問題が解決しないかも知れません。

 またハンダ箇所の老朽化も不安定動作の要因かも知れないので、VCO周りを再ハンダしました。
 

VCO発振

 以上の確認でユニット基盤をシャーシーに戻すことにします。
 ピンコネクタやアース線を元に戻し、電源ON。(あっさー)

 TP02に接続していたオシロスコープに、VCO経由の安定した発振波形(fin)が表示。
 同様にTP01に接続してみても、DC波形(PDout)の揺らぎはありません。

 気を良くしてFT-736とハンディ機との送受信テスト。
 送信音・受信音ともに、雑音症状は消えました。


 原因の特定はできませんが、PLL再調整後エージングしながら動作チェックです。 




 実配線をもとに回路図を訂正しておきます。

 ① VCO発振の共振回路のC183
    実配線     ⇒ 「L09」に「チップコンデンサ」を抱き合わせ
    サービスマニュアル ⇒ 「C183」として図化
    回路図     ⇒ 記載なし

 ② Q13 2SK241GRのドレインとソース
    実配線 ⇒ ドレインに+9V ソースからT12のバリキャップコントロール
    回路図 ⇒ 記号では、ドレインとソースが逆

 ③ TP01
    実配線 ⇒ Q17 PLL-ICのPD出力電圧
    回路図 ⇒ Q13 BUFFのバリキャップコントロール電圧

 ④ C83 0.047μF
    実配線 ⇒ 装着なし
    回路図 ⇒ Q17 PD出力のループフィルタ 

 ⑤ 赤線で囲ったのは交換した部品です。


 

 
 

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