オーディオ機器修理 【カセットテープデッキ】

<2015年07月20日>
昭和の音復活

【SONY TC-K555ESL】


TC-K555ESL

 数年前、縁があってソニーのカセットテープデッキが我が家にやってきました。
 1990年発売の機械で、3ヘッド・クローズドループデュアルキャプスタン・クオーツロックドダイレクトドライブなど、その当時としては普及機と高級機の中間くらいの位置付けだったでしょうか。

 

筺体

 最初は、若かりし頃のカセットテープが使えるようになり喜んで聞いていました。
 ある日、「電源投入後レベルメーターが消え、カウンターだけが表示されて、テープが無いのに再生をガチャガチャ繰返す」ようになりました。
 しばらく様子を見ていましたが、自然復旧することはなく諦めていました。





基板配列

 最近、ネット上で「昭和カセットデッキ研究所」というブログに出会い、ちょうど「TC-K555ESL」の分解修理の方法が紹介されていました。
 早速ケースを外してみると、メカデッキと電源部を中央に、コントロール系とオーディオ回路を左右両サイドに分離し、整然と配置されています。
 また、内部を3等分するインナーシャーシは磁気歪の発生を防ぐ銅メッキシャーシで、各ブロック間の電磁的な干渉を排除しています。





外パネル
 デッキの顔であるパネルは二重になっており、先ず外パネルを外します。

 自作とは違い、きれいに文字が刻まれています。




中パネル
 次に中パネルを外すと、隠れていたメカが現れます。
 中パネル左側にネジ止めされているコントロール基板を取り外します。





コントロール部
コントロール基板の赤で囲った所が、「リモコンの受光部ユニット」です。

 このユニットの不具合でコントロール系が誤作動を起こしているようです。





受光部ユニット基板
 連日の猛暑の中、久しぶりにハンダごての登場です。
 汗をかきかき取り外した「リモコンの受光部ユニット」を分解します。





受光部ユニットパターン
 ユニットのパターン側にある黒っぽいのは受光部品です。
 参考にしたブログでは、コンデンサの液漏れが原因ということでユニットごと交換されていました。





テスト
 当ユニットは見た目では腐食もなくキレイでしたが、リモコンそのものがないので、ユニットは取り外したままにします。

 ここは慌てず、再度組み上げてしまう前に、誤作動が起きないか何日も繰り返し電源の入り切りテストを行いました。





駆動部
ついでにメカ部やヘッドのクリーニング、基板の清掃も行いました。
 





昭和のオーディオ

 繰り返しテストの結果、誤作動の症状は出ませんでしたので、再度パネル・ケースを組み立てました。
 これまで部屋の片隅に追いやられていたカセットテープデッキが、昭和のオーディオ機器の仲間入りをしました。

 もちろん、音うんぬんにこだわる機器ではなく、あくまでも見た目です。(苦!)

 



 

 
 

コメントする