隠しコマンドその2 【粘ってみる】

<2015年07月12日>
RF TUNE調整

【ステップアッテネーター再設定】


STEP ATT
 前記事で、バンド間ゲインの均一化のためにレベル調整した送信RF段の「StepATT」の回路図です。
 およそ30年前のリグですが、よく考えてあります。

 しかしながら前記事のとおり、18MHz帯は調整範囲外となりました。

 スーパーローカルOMから頂いたヒントのように、RF TUNEユニットにあるバリアブル・チューニング回路が影響していると思われます。

 過去のJST-135の解説記事では、受信時のRF段の選択性向上についての特徴が述べられており、送信時の影響についてまで考えたことがありませんでした。
 しかし回路図を追っていくと、送信時のRF段も共用となっており、Frequency Rangeのひとつに「12.3MHz~20.5MHz」があります。

 その帯域内で、ちょうど18MHz帯の減衰が著しいのではないかと想定できました。
 サービスマニュアルではTracking Scopeなるもので帯域の調整が行われており、このあたりが年老いた田舎のラジオ少年の限界とあきらめていました。



AllBand transmission

 ある時、「ユーザー拡張定義」のひとつに送信のALL BAND化の隠しコマンドがあることを思い出しました。
 以前に、通常の手順で操作してみたのですが、この隠しコマンドは設定できませんでした。

 よく考えてみれば、ALL BANDで簡単に送信できるようになれば、何かと事故のもとになります。
 たぶん裏技的な操作方法があるのでしょう。

 もしALL BAND送信が設定できれば、「12.3MHz~20.5MHz」の送信Powerをプロットすることにより帯域特性が分かります。
 もうちょっと粘ってみることにします。


RF TUNE調整
 あーでもない、こーでもないとユーザー拡張定義を操作していたら、設定がALL BAND送信に変わりました。(今でも決まった手順は分からない?)

 これはラッキーと、STEP ATTをデフォルトの「7」に戻し、MODE AMで100KHzステップで送信Powerを測っていきました。
 その結果18MHzBANDが最大の減衰域となっており、基準とした14.1MHzと比較して「-7dB」でした。
 これでは、STEP ATTの調整範囲外となるはずです。

 RF TUNEの「12.3MHz~20.5MHz」の回路図を見るとバンドパスを調整するのは「T5」「T6」ですが、プラグイン構造のため送信しながらのコア調整はできません。

 コアを入れるか抜くか迷いましたが、「T6」だけコアを右に90°回し再測定しました。
 まだ不足でしたので「T5」のコアも右に90°回し再再測定しました。



StepAtt再設定

 その結果、「12.3MHz~20.5MHz」内で極端な減衰域がなくなり、StepATTの調整範囲内となりました。

 STEP ATTの再設定は、基準とした14MHz帯で「7⇒8」、18MHz帯で「0⇒5」でした。

 ようやく全部のHAM BANDで、前動型リミッティングアンプの出力を固定したまま、ModeSSB⇒Power100Wを得ることができるようになりました。(CW Band除く)

 送信の設定はHAM BANDに戻しました。(念のためHi)



 

 
 

コメント(3)

う~ん、立派!! 「粘り強い」の一言です、脱帽 Hi
 

忘れてました、私の所にF特をかなり精度良く測れる測定器ありますヨ。
残念ながら自作ではなくキット、測定範囲は100KHz~30MHz、スイープ幅は1KHz~フル。

 さすがFBな測定器をお持ちなんですね。
 思案中にチラッと浮かんだのですが、偶然に送信系が動きました。
 OMのヒントに感謝です。
 
 新ジャガとってもおいしかったです。(TNX)
 

コメントする