PS3 YLOD修理 その3【スゴ技】

<2016年09月05日>
リボール

【ハンダボール再生】


 どうにか道具は揃いましたが、細かい作業手順を頭に入れて慎重に向かうことにしましょう。
 それにしてもヒートガンによる修理は完璧ではなく、YLOD再発は仕方のないことのようです。

 そんな中、「殻割り」と「ハンダボール再生」というスゴ技を見つけました。
 両方とも自分にできることではありませんが、興味本位で記事にします。

CPU殻割り
『スゴ技その1』

 CPUは、コア→ヒートスプレッダ→ヒートシンクへと熱を伝えて排熱しています。
 コアの上にある金属プレート(ヒートスプレッダ)への熱伝導が悪化していると、CPU自体が高熱化することになります。

 そこで金属プレートを強制的に剥がして、老朽化したグリスを除去し新しいグリスを再塗布するという力技です。
 俗称「殻割り」と言うそうです。



GPU殻割り
 こちらはRSX GPUです。
 CPU同様に「殻割り」により排熱効果を上げます。

 仮にヒートガンでハンダボールが修正されたとしても、CPU・GPU本体が高熱化することによって、ハンダボールの再膨張や空冷ファンの暴走により、結局YLODが再発するということのようです。



ヒートスプレッダ除去後
 ヒートスプレッダが取り外されたCPUとGPUです。
 それにしても素人ではチップや基盤を損傷して一巻の終わりという力技、とても真似できそうにありません。





RSX GPU ヒートスプレッダ取り外し

『スゴ技 その2』

 こちらはプロフェッショナルな「reballing」ハンダボール再生です。
 RSX GPUの上部をヒーターで加熱し、薄い金属ヘラで金属プレート(ヒートスプレッダ)を剥がします。



GPU取り外し

 ハンダボールを溶かし、GPU本体を基盤から取り外します。



基盤ハンダボール

 基盤に残ったハンダボールです。



基盤クリーニング

 基盤のハンダをクリーニングします。
 フラックス(たぶん)を塗りハンダごてをあてると、ハンダが面白いように取れていきます。
 さらにハンダ吸い取り編組線とハンダごてできれいにします。



ハンダゴテ除去

 GPUのクリーニングです。
 基盤と同じように、どんどんハンダが取れていきます。



ハンダ吸い取り線除去

 さらにハンダ吸い取り編組線をハンダごてで動かしていくと、きれいにハンダが吸い込まれていきます。



ハンダボール搭載

 きれいになったGPUに金型をはめ、新しいハンダボールを搭載していきます。



GPU reballing

 きれいにハンダボールが再生されました。



GPU実装ハンダ付け

 ヒーターで加熱しGPU本体が半田付けされました。



GPUコアグリス

 GPUコアにグリスを塗布します。



再実装完了

 ヒートスプレッダを接着。
 見事にGPUが再装着されました。



 ここまでやって修理するかという感じですが、今回PS3を分解してみてハンダボールという装着法を知りました。(汗)
 年老いた田舎のラジオ少年は、ヒートガン修理に挑戦するだけでも相当な頑張りです。・・・

 

 
 

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